研究概要 |
高温および低温環境下における効果的なウォーミングアップ(以下W-up)について検討した。着衣は、それぞれの条件下で一般的に用いられる着衣量とした。1,気温:30°C、10°C、相対湿度:50%、気流:走速度同時、日射:有りの条件下でW-up条件をW-upなしのコントロールと50%Vo2max強度で時間を15分、30分、および自由の4条件で実施した。負荷装置にはトレッドミルを用い、主運動は10分間の最大努力走とした。さらに5分間の休憩をはさんで最大無酸素パワーを測定した。(1)30°Cでは、主運動の走行距離が15分と自由(平均時間13分40秒)で長く、コントロールと30分で短い傾向を示し、後半における走速度の低下も大きかった。最大無酸素パワーは、コントロールと30分で高く、15分と自由で低い傾向を示した。回復期の心拍数の低下は自由がも早く、15分、30分に比較して有意(p<0.05)な低値を示した。(2)10°Cでは、4条件で走行距離にほとんど差が見られなかったが、酸素脈は、自由(平均時間12分20秒)が15分に比較して有意(p<0.05)な高値を示した。最大無酸素パワーは、自由で高く、15分で低い傾向を示した。最大努力走と最大無酸素パワー間の5分間の休息期間の酸素摂取量、心拍数は、15分が最も高かった。回復期における反応には差が認められなかった。2,環境条件を気温:0°C、相対湿度:50〜60%、気流:走速度同等、日射:有りの条件下で、W-up条件をW-upなしのコントロールと50%Vo2max強度で時間を15分、30分、および強度、時間共に自由の4条件で実施した。負荷装置にはトレッドミルを用い、主運動は30分間の最大努力走とした。走行距離は、自由(平均時間20分24秒)において最も長く、30分において短い傾向を示した。自由の走速度は、20分頃までは他の郡とほぼ同じであったが、その後10分における速度の増加が他の郡よりも大きかった。自由におけるW-upの強度は、平均すると約50%Vo2maxであった。
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