研究概要 |
チームスポーツ選手の競技開始前の状態不安とパフォーマンスの関係を明らかにするために,本年度は非コンタクトスポーツとして大学生男女バレーボールをコンタクトスポーツとして大学生男子サッカーとバスケットボールを研究対象として選んだ。 これらの対象者の競技開始1週間前,1日前,2〜3時間前,試合直前,試合直後,2日後の状態不安のに変化と各試合のチームとしてのパフォーマンスとの関係を分析したところ,サッカー選手は状態不安の高い状態で試合に臨んだ方が優れたパフォーマンスを示す傾向にあり,バレーボールとバスケットボール選手はその傾向は認められなかった。さらに,各種目毎の個人差も非常に大きく,非常に高い状態不安でプレーした方が個人的に良いパフォーマンスを示す者もいれば,それが低い場合に個人として良い結果をもたらす者もいた。 どのチームにおいても顕著であったのは,勝った試合の直後は状態不安が低下し,負けた試合の直後はそれが試合前のレベルよりさらに高くなり,1日後にはやや低くなるということであった。従来より言われている経験上の了解を裏付ける結果であるが,敗戦後の原因分析や反省点に係わるミーティングをいつ頃開けば,次の試合に向けての選手達の心理的コンディションを最高の状態にすることができるか,というコーチングの問題との関連で今後さらに検討を進める予定である。
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