研究目的:体育あるいは体力医学の分野で行われる動物を用いたシュミレーション実験による結果は、必ず人に応用されるべきであるという考えから、動物の個体における運動器系の機能測定をより正確に、定量的に行うシステムを開発し、このシステムを用いて様々な処方を行った場合の運動器への影響を個体の機能として評価することを目的とする。 平成7年度は正常ラットを用いた実験を主に行い、システム自体を確立することを目標とした。システム確立に際して最も時間を要した点は、コンピューターソフトウェアー上のタスク(ソフトの持つ処理機能を組み合わせて作成するプログラム)を作成する作業であり組み合わせにより何千何万という数になる。その中から独自の組み合わせによる測定系を確立するため、このタスク自体のオリジナリティーは非常に高いと考えられる。従って、必然的に得られたデータ自体のオリジナリティーも高いものとなる。初年度の前半でタスクを含む全体のシステムが確立されたことは、次年度(最終年度)に十分期待が持てると考えている。現在、最初の比較対象である代償性肥大筋モデルとの比較実験を行っており、その中間結果(国際雑誌に投稿中)から作成したシステム及びタスクに十分手応えを感じており7年度末には、この実験も終了する見通しである。 平成7年度に計画していたシステムとタスクの確立を次年度の前半で達成することが出来た。このことは、本研究のテーマでもある「新しい運動器系の機能解析法」を確立する目的に於いて7割程度目標が達成できたと判断できる。さらに、現在最初の比較実験が順調に遂行されていることから次年度中には当初掲げた比較実験が全て行える予定である。実験遂行上の問題点は特に見あたらず、むしろ学術的に常識化されていることを見直す必要があることを示すような成績が得られており、現在さらに検討中である。このような状況から平成7年度の目標達成率は120%と考えている。
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