1.10代〜70代の女性100名弱を対象にして下肢筋力、平衡機能(静的・動的)などの活動能力の加齢変化に関する測定および日常生活の身体活動水準、生活習慣や転倒経験の有無などについての調査を行った。 (1)左右方向への足圧中心の移動にあまり加齢変化がみられなかったが、前後方向への足圧中心の移動時、視標波形のピークに対するトラッキング波形の大きさおよびタイミングの誤差は加齢にともなって拡大し、特に後方移動時にその傾向が顕著になる可能性が考えられた。 (2)日常的に運動習慣をもつ被検者の場合、1日あたりの平均歩数が多く、下肢筋力が非運動群より高く、動的平衡機能も優れている可能性が示唆された。 2.高年齢群では体力や人間関係満足度、総合的な幸福度などについての主観的評価と脚伸展パワーや歩行能力との間に有意な関係が認められ、主観的な指標と高年齢群の運動能力(移動能力)が密接に関連している可能性が考えられた。 10代〜70代の男女231名を対象に、個人特性と運動・スポーツ種目特性の適合度に関する質問紙を作成・実施した結果、40代後半から50代にかけて男女とも生理的・心理的負荷に対する主観的な自信が低下する傾向が観察された。 後、健康状態や体力レベル、幸福感などに関する主観的評価方法のfeasibilityの検討と、移動能力・姿勢保持能力を中心とした活動能力評価方法の確立、身体活動へ動機づけるためのtoolの開発が必要である。
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