研究概要 |
わが国の女子アスリ-ト(n=1,000)とその対照群としての一般女子学生(n=593)について、自記式アンケートおよび摂食態度調査表(EAT-26)を用いて、やせ願望度、痩身の理由、ダイエットの状況、摂食障害様の摂食態度・行動を示す者の割合、および月経状況について調査した。 アスリ-トはその競技特性から、技術系(n=84)、持久系I(やせが重要と考えられる中長距離走など、n=84)とII(さほど重要と考えられない水泳、ボ-トなど、n=76)、エステティック系(n=120)、球技系(n=447)、およびパワー系(n=189)の6つのカテゴリーに分類された。一般学生、アスリ-ト群の各系を問わず、約4/5の者が減量を希望しており、その程度は絶対値で3.4-4.8kgであった。そしてその理由として、一般学生では「太っているので」、「局部を細く」などであるが、アスリ-ト特に持久系I(79%)、パワー系(52%)、およびエステティック系(34%)では「競技力向上のため」をあげる者が多数認められた。欠食に関しては、持久系のアスリ-トを除き、主として朝食を週4日欠食する者が一般学生、アスリ-トとも約1/4にみられた。また、ダイエット経験者は51-75%にも及んだが、不成功と答えた者が66-79%もみられた。EAT-26によって評価された摂食障害者と同じ摂食態度・行動を示す者の割合は、一般学生では約3%であったが、持久系I(20%)およびエステティック系(12%)では有意に高かった。また種目別では中長距離走(21%)、新体操(17%)、チアリーディング(12%)、ハンドボール(10%)、体操(9%)、および短距離走(9%)で一般学生に比べて有意に高かった。さらに持久系Iとエステティック系では、他の系に比べてより低い肥満度とBMI値を伴いながら、無月経の者の割合が一般学生に対して有意に高かった。
|