昨年度(平成7年度)は、わが国の女子アスリ-トとその対照群としての一般女子学生について、自記式アンケートおよび摂食態度調査表(EAT-26)を用いて、やせ願望度、痩身の理由、ダイエットの状況、摂食障害様の摂食態度・行動を示す者の割合、および月経状況について調査した。その結果、EAT-26によって評価された摂食障害者と同じ摂食態度・行動を示す者の割合は、一般学生では約3%であったが、持久系I(20%)およびエステティック系(12%)では有意に高く、持久系Iとエステティック系では他の系に比べてより低い肥満度とBMI値を伴いながら、無月経の者の割合が一般学生に対して有意に高かった。 今年度は、同様の自記式アンケートおよび摂食態度調査表(EAT-26)を用いて、摂食障害様の摂食態度・行動を示す者の割合、および月経状況を中国の女子アスリ-トと一般学生について調査した。その結果、摂食障害者と同じ摂食態度・行動を示す者の割合は、アスリ-トにおいても一般学生と同様に低く、無月経の者の割合も技術系(0.5%)およびパワー系(0.4%)において見られるのみであった。以上の結果から、日本の女子アスリ-トにおいては摂食障害様の摂食態度・行動を示す者の割合および月経異常を呈する者の割合が高いのに比べて、中国の女子アスリ-トではそのような傾向は認められないことが確認された。
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