研究概要 |
本研究では、アメリカ・東南アジア・日本におけるチャイナタウンを対象に、チャイナタウンの形成および変容について比較検討し、各地のチャイナタウンに共通する普遍的性格を明らかにするとともに、各地域のチャイナタウンの地域的性格を解明し、それらの背景について考察することを目的とした。 平成8年度は、研究期間3年計画の2年目であり、下記の点に重点を置いて実施した。 1)昨年度に引き続き、内外の関係文献の収集と文献資料のデータベースの作成に加えて、本年度研究費で購入したスキャナを用いて、チャイナタウンの映像に関するデータベースの作成に取り組んだ。 2)日本国内のチャイナタウン(横浜中華街・神戸南京町・長崎新地中華街)において現地調査を行った。 3)シンガポール・ジャカルタ・クアラルンプールのチャイナタウンにおける現地調査の機会を得た。 その結果、日本国内の三大チャイナタウンは、いずれも日本人向けの観光地として成立している点に大きな特色がある。これに対して、東南アジアやアメリカのチャイナタウンは、一部に観光地になっている所もあるが、多くは現地の華人社会に対して経済的,社会的,文化的サービスを提供する地区としての性格が強い。
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