初年度はアジア経済研究所をはじめ国会図書館、東大・東洋文化研究所、京都の東南アジア研究センターや民族博物館、広島大学、総合地誌研究資料センターなどでのオペレーション・フラッド関連文献の収集に力点を置いた。特に、今年度は優れた研究論文の掲載されることで有名な「Economic And Political Weekly」と政府の広報紙的性格を持つ「Agricultural Sityuation in India」とに関連しWhite Revolution(白い革命)に関する論争の整理を試みた。 研究計画の執行が1月から開始するといつた状況で、残念ながらその整理は、十分されていない。ただ、現在言えることは、伝統的なミルク生産の悪循環に関しては、「Economic And Political Weekly」では、悪循環を肯定する論者の論文が掲載され、一方、「Agricultural Situation in India」に掲載されている論文は、悪循環が革命により断たれ、より良い循環が形成されているとする。 また、地理学的な立場からの研究で最も重要視する必要がある論点、つまりア-ナンド方式の協同組合の正当性の問題に関しては、論者の観点が相違した議論が多く、どちらかに軍配を上げるといったことはかなり困難であり、地域的な諸条件を把握しなければと考えている。それから新たに付け加えた白い革命により農村部の女性の地位向上が見られることに関しては、おおむね肯定的な見解が多く、農村女性とミルク生産との関係の深さを改めて知らされた。その意味でこのミルクと女性問題はさらに深める必要を感じている。 いずれにしても、今年度の研究成果は来年度の報告書に整理され公刊される。
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