生命倫理教育が広く高校教育の中で扱われるように、1994年に作成し、日本、ニュージーランド、オーストラリアの高校へ配布した生命倫理教育における補助教材の改訂を試みた(日本語版のみ)。 補助教材の改訂にあたり、まず、できるだけ多くの教師から先の補助教材に対する意見を得るために、教材の使用に関する調査を1994年に教材を受けとった457人の教師を対象に行った。この調査では教材に関するいくつかの質問を印刷した葉書を返信用に切手を貼付け送った。43%の教師から回答を得た。この教材を使用したと答えた回答者は少なかったが、45%の回答者が改善版教材を入手したいと答え、25%の回答者が、私たちと生命倫理に関する教育について話し合う時間を持ちたいと答えた。 次に1995年暮れから数名の教師とのインタビューを行い、インタビューを希望していた37人の教師に対して教材の改善についての意見を求めるアンケート用紙を送った。 教材の使用に関する調査結果、教師とのインタビューをもとに生命倫理教育における補助教材の改訂を行った。改訂版教材はB4サイズで27ページ、表裏に印刷し、わかりやすい表現とできる限り多くの図解を取り入れることに注意を払った。改訂版教材に盛り込んだテーマは先の教材同様、生命倫理の概念、動物の権利、生殖技術、遺伝病、バイオテクノロジーなどである。 配布に際しては、1月から2月に改善版教材の案内と申込書をファックスあるいは手紙で、日本の全高校(5000校以上)に送った。そして3月におよそ700校の高校に改善版教材を配布した。教師の担当教科は、理科、社会科、保健体育科、家庭科など様々である。改善版教材もまた先の教材同様、近々、インターネット<http: //www. biol. tsukuba. ac. jp/macer/TMJ. html>においても公開する予定である。
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