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1995 年度 実績報告書

心的切断テストによる空間認識力の評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07680194
研究種目

一般研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 賢次郎  東京大学, 教養学部, 教授 (60012506)

キーワード心的切断テスト / 空間認識力 / 図形教育
研究概要

心的切断テスト(Mental Cutting Test:MCT)は、立体図(透視図)によって、立体と切断面を堤示し、その切り口の実形を解答させるもので、全部で25題の問題からなっている。
(1)ペ-パーテスト形式のMCTを約200名の学生を対象に実施し、その誤答傾向を統計的に解析した結果、立体図に表現された"3次元"の空間内の立体および切断面を、あたかも"2次元"図形であるかのように誤答していることが示された。
(2)上記テストの高得点者(Expert)、および、低得点者(Novice)から、それぞれ10名程度被験者を抽出して、被験者がMCTの問題を解く過程を、アイカメラによる注視点追跡法とプロトコル分析法を用いて解析した。現在までの解析結果から、高得点者は、高速で、正確なイメージ処理によって、多くの問題を解いていること、また、稜線の長さ等の量的判断を要する問題については、適切な特徴量を抽出して、意識的な考察を行って問題を解いていることが示されている。後者は、MCTを解くにあたって、高得点者が解決方略を切り替えていることを示唆している。一方、低得点者は、低速、あるいは、不正確なイメージ処理によって問題を解いており、量的判断を要する問題についても、高得点者と異なり、問題解決方略を切り替えることが少ないことが示されている。MCTの25題の多くは、量的判別を要しない問題であり、上記の結果は、MCT得点は、被験者のイメージ処理能力を反映していることを示している。
(3)(1)、(2)の結果をあわせると、MCTは、"2次元"の図上に表現された"3次元"立体の形状のイメージを、正確、かつ、高速に生成する能力-いわゆる、読図能力-を評価しているものと思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takaaki Saito: "Analysis of Problem Solving Process Causes of Error in a Mental Cutting Test" Proc.2nd China-Japan Int.Conf.on Graphics Education. 259-264 (1995)

  • [文献書誌] Takaaki Saito: "Spatial Ability Evaluated by a mental Cutting Test" Proc.7th ICECGDG. (accepted). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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