研究概要 |
理科離れが年々進むなかで,実験・観察を重視した理科を指導するのに,十分な実力を備えた小・中学校教員の養成の必要性が指摘されている。この要請に耐えうる教員を養成するための,教員養成系大学・学部における物理学分野のカリキュラムの開発を目的に,平成7年度より研究を開始した。 平成7年度に於いては計画通り,物理学忌避傾向の強い小学校教員養成課程の学生を対象に,物理学に関する基礎知識・能力を知るための調査を行なった。鳴門教育大学の平成7年度入学者120人に対して5月の始めに力学分野と電磁気学分野の調査を行った。中学校における学習内容を中心に、力学関係は40項目,電磁気関係は57項目で計算問題も含め広い範囲の知識・能力の調査を行った。このデーターを概念図の手法を用いて分析し,指導内容のポインとを決定すべく努力している。得られた分析の結果は,日本科学教育学会,日本理科教育学会等で報告した。 次に,小・中学校で指導する物理学分野の内容について,学習指導要領,文部省検定済教科書により確認し,大学における授業内容について検討を行った。また,物理に興味を持つ小・中学校教員を養成するには,物理の好きな,少なくとも嫌いでない学生が多くなることが大切である。そこで,物理離れの対策を探る一環として,現場の教師からみた問題点を調査・整理し論文として投稿した。
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