研究概要 |
小学校教員養成過程の理科実験のために,小中学校での理科教材の中から,授業と一緒に実験できる教材の開発を行った。また実際に,小学校課程の2年生に、小中学校の理科教材の中から,光と電気磁気の分野に関して,現象の意外性とリアリティを感じることのできる演示実験と実験工作などを織り込み、135分授業の5回の授業と実験の融合による実験授業を,1年間5つの学生グループに行ってみた。具体的な内容は,身の回りの物理現象として光の教材をとりあげ,直進,反射,屈折現象の実験教材を開発検討した。全反射を利用した光ファイバーによる光通信やグラスファイバーなど医療技術などの現代の社会に利用されているものの理解や,夕焼けや朝焼け,青い空,蜃気楼,虹,逃げ水などの自然現象などの理解,カメラ,メガネ,望遠鏡,顕微鏡などのレンズを使った光学機械の理解のために有用な実験教材の開発を行った。また,今日の電気に依存している我々の社会を理解するため,簡単なモーターや発電機,めんカップスピーカー,マイクロホンなど実験工作を織り混ぜた授業と実験の融合による実験授業を行った。また,中学校教員養成課程のための物理実験についても,電磁気の原理を実感をもって理解するための実験開発を行った。今回の研究から,初等・中等学校の教師になる学生の物理実験は,従来行われている科学者かエンジニヤを育成するための定量的測定を主とした実験をやらせるよりも,まず科学の基本法則を使って身の回りや自然の現象を納得させる実験を十分にやらせるほうが学生に物理の興味をもた持続させるために効果が上がることがわかった。
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