平成7年度は、本研究の初年度である。まず、環境教育の枠組みの比較に関しては、既存の文献資料に加えて今回備品として購入した文献および雑誌などから、世界的視野の中で環境教育の枠組みを比較しているところである。これについては、来年度にまとめていく予定である。 次に、プログラムや教材と枠組みと実践家および研究者と枠組みについては、あわせてフィールドワークを行った。それらは、日本環境教育学会主催の公開シンポジウム、日本環境教育フォーラム主催の環境教育清里ミーティング'95、環境庁・市民フォーラム2001他が中心となって企画した環境教育シンポジウム'95全国会議、そして環境教育ネットワーク千刈ミーティング'96等である。ここでわたしたちは、参与型観察法(participatory observation)から、より踏み込んで参与型参加法を採用した。それは、単に客観的な観察者ということを越えて、参加者として、あるいはプロジェクトの一参画者としてかかわる中で、メンバー同士および実施者と一般参加者が相互に影響しあい、学びあう関係の構築の過程である。日本の環境教育に関して、このようなタイプの参与調査が行われたのは初めてであり、環境教育における新たな方法の展開としても位置づけられ、本研究の成果として最も大きいものと考える。(この一部は平成8年の日本環境教育学会全国大会で発表を予定している)。 最後に、研究集会としては、本補助金を利用して、2月に京都市で環境倫理研究会を実施してわたしたち両名も報告の機会を持ち、50名以上の参加を得て踏みこんだ討論を行えた。平成8年度にはこの研究会の記録報告書を刊行し、その成果を広く伝える予定である。
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