小学校にもコンピュータの設置が開始され、さなざまな活用・実践が行なわれている。児童の情報活用能力やシステムの対話状況を明らかにすることは当面の課題と考える。本年度は小学生の情報処理過程に関する研究を進めた。 まず、5年生に対し社会科の資料ファイルが記録されたグラフ作成ソフトを与え、オープンエンドとクローズエンドの課題を与えたときの2群の情報の探索とグラフの作成過程を明らかにした。前者は児童各自が興味のある情報を探索し、見やすいグラフを作成した。後者は指定された課題を解決するファイルを直ちに選択し、課題に対する情報を発生しやすいグラフを選択した。すなわち、操作過程の分析によって教師の意図する学習活動が行なわれていることが明らかとなった。 また、6年生に対しワードプロセッサの事前指導を行ない課題文を作成させたところ、音の入力はかなと漢字に分けて行なった。入力段階に発生したエピソードはキ-タッチミスや異なる音の入力・変換・決定段階に発生したエピソードは誤入力の変換、変換せずに決定であった。作成時間は809秒から4482秒であり、知的道具としての利用させるための教育体制や教育内容の編成が難しいということが示唆された。
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