昨年度までの東京地区での研究成果をまとめ、5月末に東洋館出版より、澤本和子・お茶の水国語教育研究会編『わかる・楽しい説明文授業の創造-授業リフレクション研究のススメ』を出版した。これは小中高校の国語科説明文・論説文の理解指導に絞った研究である。 山梨地区では、4月からシステムの改良を続け、竜王西小学校、吉田小学校で国語科の授業を録画し、夏休みを使ってデータを作成した。これは、昨年度からの研究の継続である。この結果と併せて山梨での研究成果の一部は、教育実践研究指導センター研究紀要第3号(1996年11月)に発表した。澤本和子「教師の実践的力量形成を支援する授業リフレクション研究:その1 授業研究演習システムの開発」(pp.3-11)、浅川栄司・小林進・澤本和子他「同:その2集団的リフレクションによる単元学習事例研究」(pp.13-22)、守木貴「教育実習における対話的リフレクション研究」(pp.23-31)である。 大学の教育研究として3年生を対象とする技術科教育の事例研究を継続してきたが、これを整理し、6月刊行の教師教育学会年報第5号に佐藤博と共著で「教師教育のためのself-reflectivemethodの開発」(pp.129-139)として発表した。 以上の成果を踏まえ、11月の日本教育工学会金沢大会では、大会シンポジューム提案「21世紀における教育工学の展望 -今を生きる教師自身が開発する授業リフレクション研究-」、および課題研究発表「授業モデルの形成と授業リフレクション研究-中堅教員を対象として」を行った。なお、このとき、RoTTe研究会(生田孝至代表)主催の自主シンポジューム「授業研究と教師の成長」でも、発表を行った。この内容は、同会発行『教師学研究』第一号(1996年10月)に述べた。 以上のとおり、研究を継続しながら、その成果を順次発表し、ようやく本研究も一定の成果を収めつつあるが、ソフトのバ-ジョンアップなどの課題については継続して研究中である。
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