平成7年度には、澤本が開発したこの方法を、多数の教師に実験的に試行してもらうことを課題とした。東京のお茶の水国語教育研究会と山梨の山梨大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究プロジェクトおよび教育方法研究会を通じて、教師と共に授業研究を実施した。東京グループでは、授業リフレクション研究を、自己リフレクション・対話リフレクション・集団リフレクションに分けて、有機的に組み合わせる方法を開発した。山梨では、当センターで導入した授業リフレクション研究を支援する授業研究演習システムを利用する環境設定と、ソフトの開発を実施した。 平成8年度は、東京では研究成果の一部を整理し、書物として出版した。国語科説明文・論説文の授業を対象とする。授業リフレクションの研究としては、初めての小学校から高等学校までの事例研究を含む研究所であると自負している。山梨では、平成7年度に開発した授業研究演習用ソフトを用いて、研究者と現職教員、開発業者の協力により、授業研究演習システムのデータを、同期再生ソフトを用いて2台のVDRを同期させて再生する方法を確立した。 平成9年度は、東京グループでは、この研究のまとめを行った。同時に、山梨では、ダブルビデオデッキを利用した同期再生画面を作成し利用する研究方法を開発した。また、スタンドアローン型のWindows95上で動作するソフトを開発した。いずれも、学校や自宅でも簡便に研究するための教師支援システムである。 こうした研究成果は、刊行・出版し、日本教育工学会等で発表して評価を受けた。同時に、甲府市や山梨県を中心とする教員研修プログラムで導入したり、山梨大学公開講座「教員リフレッシュ研修」でも、実用化している。
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