学習者自ら学んだことや創造したことをデータベースに登録・蓄積して、学習成果の共有を図る「学習者参画型データベース」の研究において、本年度の経過と成果は以下の通りである。 1.マルチメディアを用いた学習者参画型データベースの改善・活用方法の検討 教育工学関連授業や公開講座において、「ハイパーカード」を用いてのマルチメディア作品づくりを行った。作品内容は、「三重のお祭り紹介」、「名所案内」、「生涯学習施設案内」などである。これらの作品を分類し、データベース化を行うとともに改善情報を収集して、改善法を検討した。また、開発したデータベースは、学習の動機づけとして活用するとともに、サーバー上に蓄積しておき、いつでも参照できるようにした。アンケート調査では、過去の作品を見ることの効果は、約90%の学生が肯定しており、その有効性が確認できた。 2.マルチメディアのデータベースへの参画が学習者の関心・意欲・態度に及ぼす効果の検討 データベース作りに参画したクラスで、その効果を、マルチメディアについての「知識・理解」、「技術」、「関心・意欲」の3つの側面についてアンケート調査した。「関心・意欲の向上」を強く肯定したものが、「知識・理解」や「技術」のそれよりも顕著に多いという興味深い結果が得られた。 作品の発表やコメントのフィードバックの時間の確保、計画的な取り組みやグループ制作の支援、学習意欲向上への効果のさらなる検討などが次年度の課題である。
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