学習者自ら学んだことや創造したことをデータベースに登録・蓄積して、学習成果の共有を図る「学習者参画型データベース」の開発・活用研究において、主な経過と得られた成果は以下の通りである。 1.マルチメディアを用いた学習者参画型データベースの改善・活用方法の検討 教育工学関連授業や公開講座において、「ハイパーガード」を用いてのマルチメディア作品づくりを行った。作品内容は、「伝統文化紹介」、「名所案内」、「生涯学習施設案内」などである。これらの作品を分類し、データベース化を行うとともに改善情報を収集して、改善法を検討した。また、開発したデータベースは、学習の動機づけとして活用するとともに、サーバー上に蓄積しておき、いつでも参照できるようにした。また、制作活動を支援するために、「企画書の作成と発表」、コミュニケ-シヨンを円滑にする「大福帳」の導入、「中間発表とコメントのフィードバック」などを取り入れ、その有効性を確認することができた。 2.マルチメディアのデータベースへの参画が学習者の関心・意欲・態度に及ぼす効果の検討 マルチメディア作品づくりに参画した効果を、いくつかの側面から、アンケート調査した。その結果、「関心・意欲の向上」を強く肯定したものが、「知識・理解」や「技術」のそれよりも多いこと、初心者ほどその効果が高いこと、制作活動を体験することがその後の作品評価に影響を及ぼす(評価が高くなる)ことなど興味深い点が明らかになった。 作品制作における計画的な取り組み、グループ制作の支援、「学習者参画型ホームページ作成」への応用などが今後の課題である。
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