平成7年度における、プロトタイプスタディから得られた知見をもとに、平成8年度は、システムを改良し、本学情報処理室で実際の授業で実施し、前後テストと模擬試験で学習効果を検証した。さらに、学習記録からクラス全体、個人別、テキスト別、学習項目別結果を集計・分析し、個別指導のモデルを導き出した。後期からマルチメディア型LL教室においても実施した。以下のような教育学習効果が得られた。 1)事前テストの結果から、学習開始レベル(3段階)、正解やヒントの表示の有無、解答制限時間等の学習環境設定ができ、自己ペースによる学習の個別化が可能となり、一斉授業による弊害をさけることができた。 2)題材には実用英語検定試験準1〜準2級程度の内容とレベルのものを用いることにより、実用的な英語能力の習得が行えた。 3)コンピュータを用いるため、即時フィードバックと学習記録保持機能により学習結果が明確に示され、学習の動機付がをうながせた。 4)随時、無作為抽出による模擬試験が設定・実施でき、結果をグラフ作成機能により視覚にうったえ、各自の弱点を明らかにし、不得意項目の補強学習が行えた。 5)アンケート調査の結果から、音声情報による刺激とKR情報の充実化を求める要望が高いことが判った。 また、本年度は、平行して、音声と映像を付加したマルチメディア型CALLシステムの開発も試みた。
|