従来から学校教育において、中学、高校と継続的に行われてきた構文、知識偏重の教育から、昨今は、コミュニケーション中心に実用的な語学教育を目指した指導法がとられてきている。 一方、パソコンによる機械翻訳の技術は十分実用化の段階にきている。とりわけ、日常会話における翻訳の精度は高く、何ら違和感なく利用できる。同じく、短文の翻訳においても十分実用化出来るまでの精度になっている。 本研究は、このような社会的な背景や技術的な動向を踏まえ、従来のCAIシステムに機械翻訳機能及び通信機能を付加した、より柔軟で広範囲な解答が出来る語学教育CAIシステムの構築を目的としている。 本研究は2年計画で進められているが、初年度である本年は次のような作業を行ってきた。 1)学習者パソコンをサーバ機を中心にネットワークで構成した。 本研究開発のベースと成るものであって、このネットワーク上で教材作成等の作業をおこなっている。 2)2種類の語学教材を開発した 約30分の日常会話用教材及び工業英語教材を作成した。工業英語にはヒントとして、音声再生によって、英語音声が聞き取れる。 3)翻訳用の辞書の整備 現在、上記の教材で利用する翻訳用の辞書の改訂を行っている。 次年度においては、次の2項目の作業を完了することによって、目的とする研究開発を終了する予定である。 1)翻訳ソフトと教材とのインターフェースの構築を行う。 2)実用化に向けての総合的な評価試験を行う。
|