平成7年度は、(1)教科教育学・美術に関するデータベース確立のための基礎リサーチ、(2)データベース内容の充実に関する検討、(3)検索システムの検討を目的として研究を進めてきた。 まず、教科教育学・美術に関するデータベース確立のための基礎リサーチでは、美術教育分野におけるデータベース化の先行事例としてAllison Research Index of Art and Designをとりあげ、データベースの検索項目等のフォーマット及びデータの入力・出力形式の妥当性と問題を検討した。 次にデータベース内容に関する検討では、EXCEL、FileMaker Pro、HyperCardの既存のソフトを利用してフォーマットを試作し、それぞれについて、本年度は、秋田大学、宮城教育大学、福島大学の各大学院研究科修士論文の概要をサンプルとして、試験的にデータ入力・出力、さらに検索方式をシミュレーションし、実際の運用を想定してインターフェイス方策上の課題を分析した。 検索システムの検討では、既存の各種ソフトごとにフォーマットを作成し、日本語認識ソフトと現有設備のイメージスキャナ利用による論文概要の入力プロセスを試行し、実際に作成する上での基礎的データとフォーマット作成上の課題を抽出し、おおむね当初の目的を達成した。 一方、データベースへの多様なアクセスの可能性、双方向性を鑑みると、現在急速に社会に普及しつつあるインターネット上での検索システムの検討が新たな課題として浮上した。つまり、インターネット上で展開することを想定したシステム上の問題や著作権等の問題を、今後の研究を進める上で検討し、また、早期にホームページを作り、本研究の成果を広く利用できるようにすることが必要であると考える。
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