本研究は、学校教育と社会教育との関連を踏まえ、「地域社会」を学習するプログラムを作成することによって、生涯学習体制における学校教育のある方を再考し、主体的に学び続ける子どもを育成する社会科授業構成に貢献することを目指している。 本年度の研究実績は、以下のとおりである。 1.博物館等の常設展示内容・普及活動の実態調査。その結果、学校と博物館の連携を組織的に図っている事例、児童生徒用の学習ノート・ワークブックを作成している事例、小・中学校教師による「博学」連携の学習指導案を作成している事例などが明らかになった。 2.埼玉県の文化遺産等の調査。博物館等の展示内容や地域社会学習の基になる県内の文化遺産等の実態調査を実施し、その教材性を検討し、地域社会学習プログラムの枠組みを作成した。 3.地域社会学習プログラム作成のための基礎研究。教材としての「水」を取り上げ、現在の学習状況や先行授業研究を検討し、「総合学習」「完成の覚醒」「博学の連携」の必要性を指摘した。 4.社会科授業の参観・記録の収集・分析。小・中学校において博物館や郷土資料館等の展示内容を活用した社会科授業実践事例を収集し、その類型化を試みた。
|