研究概要 |
1 愛知県と大分県で児童生徒の理科好嫌の調査を行った。理科という教科についての好嫌は,男女差が大きい。特に,中学校になるとその傾向が顕著になる。その理由は,内容が高度になりすぎることにあるようである。したがって,学習者の理解の実態にあった教育課程を編成する必要がある。 2 子どもの認知のレベルの違いで学習内容への興味関心の変化がどのように違うかを実験を提示して調査した。年齢がが高くなるにつれて,子どもは事象を子どもなりの解釈をしており,そのため興味関心が低下するということになる。したがって,子どもの常識的な理論からの予測とは異なる現象を提示するなどの工夫が必要である。 3 小,中学生を対象に調査を行い,(1)理科的内容に対する子どもの興味は,自然環境や病気の克服は学年が進につれて高まるが,機械の分解や生物,天体等については低下する.(2)理科的な活動についての実行は学年が進むにつれて著しく低下する,ことが明らかになった。 4 発見的な授業について2形態,説明的な授業の3種類の授業を行い,子どもの多様な思考に応えるようにした。説明的な問題解決の授業では結論が教師から与えられるので,安心して学習を進められ「わかった」という成就感がある.発見的な問題解決の授業でも学習意欲を高めるためには,仮説を事象に適用する過程を重視すればよい。 5 発展学習,自由研究をワークシートによって支援すると,小学生は意欲的に学習を進めた。子どもの理解のペースにあわせた学習を進めることが興味関心を高めるには有効である。 6 子どもの理科への興味関心を高めるには,(1)子どもの理解のレベルに合わせた教育課程の編成,(2)子どもの認識過程を教師が理解しておくこと,(3)多様な授業方法をとること,(4)発展学習や自由研究を取り入れること,などを考慮しながら理科の学習指導を展開すればよい。
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