研究課題/領域番号 |
07680281
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩崎 秀樹 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授 (50116539)
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研究分担者 |
山口 武志 福岡教育大学, 講師 (60239895)
橋本 正継 安田女子大学, 文学部, 助教授 (00189507)
岡田 よし雄 広島大学, 学校教育学部, 教授 (70093739)
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キーワード | 新しい学力観 / 課題学習 / メタ認知 / 一般化 / ディレクターシステム / 問題解決学習 |
研究概要 |
新しい学力観(The New View of Learning Ability)は、その名の示すとおり、ひとつの見方・考え方であり、教育界におけるその語の流通や使用頻度ほどには、概念や性格が明確に規定されているわけではない。そのためまず「新しい学力」を特徴づけ、規定するための理論的な考察から入ることが妥当と考えた。また新しい学力観を実践に移す場を課題学習と考え、課題学習の理論的考察、具体的教材の吟味、目標の検討を、現職中学校教師と連携をとりながらおこなった。実際に課題学習を企画・実践し、生徒の「関心・意欲・態度」の変容を、一般化という優れて数学的な視座から、記録考察し、そのささやかな成果を、広島大学学校教育学会の研究紀要に「新しい学力観に基づく数学指導の課題-課題学習における一般化の研究-」と題して投稿した。 当初の予定では、「関心・意欲・態度」に関わる評価の方法と評価尺度の開発を本年度の目標としていたが、こうした議論の精緻化はともすれば数学教育の磁場から外れて、教科教育の背景を持ちえないというジレンマに陥る。そのため今日数学教育界で鋭意考察されている、メタ認知という角度から包括的に「関心・意欲・態度」を捉え直し、これを分析的な視点としながら、数学的な「関心・意欲・態度」の育成を課題学習で考えた。課題学習の理論的背景には、オーストラリアの数学教育研究者Dorflerの一般化の研究を据えることにした。 以上の研究・考察の成果は、平成7年7月に第3回全国数学教育学会「課題学習の課題あるいは教材としての数学のorientedness」、同年8月に第19回日本科学教育学会「メタ認知は教授-学習の成因か成果か」、同年11月に第28回日本数学教育学会論文発表会「一般化の学習に関するメタ認知概念の拡張に関する考察」、平成8年1月に第4回全国数学教育学会「数学教育におけるメタ認知研究の課題と展望」として、それぞれ発表している。
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