研究概要 |
本研究では,ネットワークを利用したマルチメディア対応教育情報の蓄積と交換に関する研究を行なっている。 これまで初等,中等,高等教育で個別に扱われていた情報教育を生涯学習の中で互いに関連させ,リカレント教育まで含めた総合的な情報教育体系の中でのマルチメディア情報のデータベース化について考察した。 本年度は第2年次にあたり,次の研究を行なった。 (I)高画像圧縮手法の構築 現在のマルチメディアネットワーク環境では,画像の伝送として主にJPEG圧縮方式が採用されている。しかしながら,一部の教育情報では緻密な画像を必要としない場合もあり,必要に応じて圧縮効率を変更することのできる新たな圧縮手法を構築した。この時、プリフィルタを採用することで,JPEG画像フォーマットには変更を加えることなしに,また画質をほとんど劣化させることなしに,従来のJPEG方式よりも約1割分画像の容量を圧縮することができた。 (2)ネットワークを利用したマルチメディア情報交換の実験 マルチメディア情報の遠隔地間での交換可能性を評価するために,これまで研究したマルチメディア情報データベース化の際のフォーマットを,実際にインターネット上のホームページ上に適用し,圧縮画像の有効性を実証した。この時、学校現場における教員は同一教科の教員から指導してもらうことは少なく,各自独力で教材を開発しなければならない現状を踏まえ,教師間情報交換を目的としたマルチメディア教材データベースを構築した。 最終年度である次年度は,画像情報の圧縮のみでなく,音声情報の圧縮をも考慮したマルチメディア情報のデータベース化を検討するとともに,研究成果を印刷物として公開する予定である。
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