水問題の政策をも含め一貫した方策の実践参加能力の育成まで包含する、家庭科を中心とした「総合授業:水」の教材開発を行った。 研究の最終年度として9年度は、「「総合授業:水」の学習内容構想(第1・2報)」に基づき、高等学校における「総合授業:水」の授業内容をまとめた。具体的には、水質汚濁と社会政策-社会としてどうすればよいか-をテーマとし、学習項目「I.水質管理システム」では、琵琶湖を事例に、下水道および合併浄化槽の設置とその水質管理システムづくり、生態系を重視した水辺環境整備政策が必要であること、また、玉川上水を事例として、水域全体の社会システムが重要であることをおさえた。「II.水に関する政策」では、水質基準・水政策の考え方と見直しおよび、世界の水質汚濁を理解させるようにした。「III.森林保全と政策」では、これまでの森林開発規制事例について、政策の水量調節への効果と問題点を整理し、利水で一番重要視しなければならないのは生態であることと、行政、農業、工業、生活者の果たすべき役割をおさえた。これらをふまえ「IV.生活者としての対策」では、便利な生活と自然保全のバランスを調整するための生活行動チェック項目、水質、水量調節への生活者としての社会的責任と政策への反映をおさえて、ライフスタイルを考えさせる内容とした。
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