1.平成7年度の科研費により数式処理システム(Mathematica)を能率よく利用することが可能となった。このためプログラムの開発を効果的に進めることができ、「中心極限定理の数値実験」などが実際に作成できた。 2.スタンドアローンとしての設備は整いつつあるが、ネットワークの活用は基盤の整備が現在進められておりこれからの課題となっている。また、教材をプログラムとして公開し共有していく上で数式処理システムなどは汎用性もあり適していることも十分実感できた。 3.最も重要な教材の選定と体系化に関しては、研究開始以来意欲的に進めているが、まだ時間的に短いこともあり相当物足りないところである。しかし、他高専の数学教官との連携および共同研究の機運が最近特に強まってきており、多くの有用な示唆を得るようになった。 4.応用数学に関する教材の開発は「数学教育」という枠内で議論されることが極めて希であることが明らかになり、この分野に光をあてることは大きな意義のあることが改めて認識できた。 5.総じて現段階は部分的な進捗にとどまっているが、数式処理システムの利用と可視化を中心とした教育内容の精選は工学系数学教育の再編成の1つの方向性として重要であることが明らかになりつつある。 6.米国でのこの分野の研究成果の検討が、科研費による関係文書の入手によって可能となった。また国内では理工系大学学部および高専での利用例なども徐々に判明してきた。これらの分析と検討を内容の精選に利用することを今後進めたい。
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