研究概要 |
前年度に改善したペアによる作文添削及びメール交換をダ-ラム、メルボルン大、聖キャサリン高校の日本語学習者と筑波大学の教師養成課程の学生との間で続行すると同時に、タスマニア大、国際基督教大との間でも同じ手順での交換を開始した。ペア方式への切り替えは、コミュニケーションが継続する点で好成績をあげている。しかし、相手を知らないという点で不自然さを双方が感じているため、これを解決する手段としてCUSeeMEによるテレビ会議的対談の技術的可能性の検証を時差の少ない日-豪間の諸機関との間で何回か試みた。試験的には成功したが、ケーブルの使用状況に左右されるため、常に利用することには問題がある。来年度は始めにCUSeeMeを利用し、その後のメール交換への影響をみる計画で、現在日、豪、英間で準備が進められている。 文字化けなどの技術的問題は日を追って少なくなり、今年度は運営面での問題解決に終始した。受信から返送までの時間は大幅に短縮され、ほぼ順調に隔週毎の交換ができた。来年度に向けて新入生の指導が重点的に行われている。メルボルン、筑波大では参加者の反応を知るためのアンケート調査結果をまとめた。日本語学習者は年度毎に入れ替わるが筑波大生には3年連続して参加している者もあり、その添削方法や態度にはポジティヴな変化が認められる。この結果は次の学会で報告した。 R.Harrison,T.Ishida,J.K.Healey"The Internet as a Tool for Teaching and Learning Japanese:A Pilot Project and Future Potential"20th Anniversary Conference of the Asian Studies Association of Australia,8-11 July 1996,La Trobe University,Melbourne,Australia また、基礎的研究として、日本語学習者の作文の分析及び日本氏と高校生の日本語使用実態の分析を別途に続行した。
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