平成6年後に「岡山大学教育学部研究集録」第97号に文の長さと文構造の複雑化という視点から数量的な分析結果を発表した。引き続き平成7年度には、国語教科書と市販の成人向け・年少者向け日本語教材について「て形」分析を行い、上記の研究集録99号に発表した。この調査では、調査後の「て形」シラバス作成に調査結果が即、有効に使用できるような分類をということを最優先にした。全体をまず大きく「て形」接続表現、「て形」+補助動詞、複合辞に区分し、更にそれを「依頼」の項目を別にして8つの機能に分けた。更にそれを項目に分類した。この分析結果によって日本語教育における「て形」提出順と国語教科書の「て形」出現順とはかなり異なる事が明らかになった。「て形」シラバスを組むためには、国語教育と日本語教育の接点を求めて組まなければならないことが明らかになった。勿論、「て形」シラバスを組むには、「て形」の分析結果だけによるのではなく、連用修飾句、連体修飾句、文末表現など文の構造にかかわる諸要素等を総合的に判断し、シラバスを組まなければならない。今回の「て形」分析では、日本語教育と国語教育の接点を「て形」の視点からではあるが考察することができ、「て形」シラバス作成の目安を得ることができた。 現在、語彙分析と連用修飾句・連体修飾句の分析が進行中であり、ジャンル別の特徴も少しずつ明らかになりつつある。また、これに引き続き文末表現の特徴も明らかにしていく予定である。
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