研究課題/領域番号 |
07680316
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | (財)言語文化研究所 |
研究代表者 |
長沼 守人 (財)言語文化研究所, 理事長, 所長 (10260118)
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研究分担者 |
駒込 武 御茶ノ水女子大学, 文教育学部, 助教授 (80153344)
木村 宗男 (財)言語文化研究所, 研究員, 理事 (60062999)
山下 秀雄 (財)言語文化研究所, 研究部長 (40142062)
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キーワード | 日本語教科書と教授法の関連性 / 時代的特徴と日本語教師の対応 / 初期教科書と教授法の先進性 / 日本語教育文法の萌芽と発展 / 日本語観の不変性と指導理論 / パ-マ-と長沼直兄の現代性 / 国語対策協議会と現地実践家 / 日本語教育振興会と戦中期 |
研究概要 |
1.1950年代以前の日本語教科書、語彙文法解説書及び教授法等に関する図書・文献を、当言語文化研究所所蔵図書・文献を中心に選び出し、その比較対照と、現代日本語教育との関連性の研究に着手した。 (1)主たる研究期間に先立つ幕末開国期〜明治期:ブラウン、ヘボン、オールコック、サトウ、チェンバレン等にみられる時代的特徴と先進性、その影響と現代日本語教育への示唆。 (2)大正期〜昭和初期:教科書・教授法における長沼直兄と英語教育者パ-マ-との関連、成人教育における長沼直兄と大出正篤の類似点、国内における松宮彌平(日語文化学校)と松本=次郎(東亜学校)らの系譜、旧植民地・占領地における山口喜一郎(年少者対象)と大出正篤(成人対象)の教授法と時代的背景。 (3)戦中〜戦後初期:国語対策協議会(1939)における現地実践家の先見性、日本語教育振興会(1941〜45)における長沼直兄の指導書等の重要性、鈴木忍(国際学友会)と長沼直兄(言語文化研究所)の系譜。 2.長沼直兄の語彙調査資料発見。昭和16〜17年に日本語教育振興会において作成した15万語のカード全部と、その後終戦までに完成をみた25万語中の1葉が平成7年9月に発見された。同一語でも文法的に異なれば機能別に記載してあり、革新的な調査である。雑誌『日本語』の論文2編(1942,43)等と照合しつつ研究中。 3.戦中期、日本語教育に携わった安良岡みち氏、池尾スミ氏、栗原由枝氏ら証人5氏を囲む座談会を平成8年2月に開催、昭和10年代後半について証言を得た。引き続き数氏から当時の証言を得るため準備中。 4.長沼直兄の『標準日本語読本』巻一 (1931) 、全くの新版というべき『改訂標準日本語読本』巻一 (1950) 及び両者を結ぶ幻の書『成人用速成日本語教本』上下 (1943,44) を対照し、連関性・近代性等を考察。
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