本研究では、空間データ、時系列データなどのように空間的、時間的距離あるいは実験の類似性などに依存して観測値の間に生じる相関が無視できない場合に相関を考慮した統計モデルを仮定し、そのための最適実験を構成する方法の研究を行った。また、同時に、ナビゲーション衛星を用いた位置の推定のための最適衛星配置の研究も行い、時刻と共に変化する空間配置の実験計画の分野についても新しい知見を得た。 (1)まず、昨年まで進めてきた研究成果をもとに、とくにブロック実験の場合に分割可能(resolvable)なブロック計画に注目し、巡回型のBIBDで分割クラスも巡回的に構成できるBIBデザインの構成法を与えた。巡回型のBIBデザインで分割クラスも巡回的に構成できるBIBデザインの存在および構成については本研究ではじめて明らかにされた。 (2)ナビゲーション衛星を用いた位置の推定法および衛星の最適配置について研究を行い、特に、衛星の配置によって地球上の観測点での位置の推定精度に差が生じることに注目し、地球上の各観測点での位置の推定精度の最も悪い値を最良にする(max-min)ような衛星配置を見い出した。
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