研究概要 |
本研究の目的は,データベースに対する質問を自然言語によりそのまま肉声で発話して,それによりデータベースをアクセスして質問結果を音声を合成して質問者に返すという,音声によるデータベースアクセスの研究・開発を行うことにある.この方式は従来のデータベースアクセス方式がリレーショナルデータベース言語SQLなどを使ってキーボードにより手で打ち込んでいた方式に比べて,自然言語でアクセスできる,従ってデータベースをアクセスするために特有の言語を修得する必要がない,また,ネットワーク回線接続装置を導入すれば携帯電話により全国からいつでも,どこでもデータベースにアクセスが可能となるという移動体環境を実現できるなどといったこれまでにないデータベースアクセス環境を実現できるという利点を有する. 本研究では,本目的を達成するために,本年度次のような研究を行い実績を積み上げた. 1.自然言語による音声発話の認識にはセンテンスパターンによる方式を採用し必要な実装を行った. 2.データベースはリレーショナルデータベースとし,また実験のサンプルデータベースとして企業データベースを構築した. 3.認識された自然言語文をSQLの質問文に変換する変換ソフトウェアを開発した. 4.質問結果を表わすリレーションを音声合成装置の入力系列に変換するソフトウエアを開発した. 5.これらの成果物を組み上げ基本システムを構築し,システムが設計通り稼働することを確認した. 来年度は,同音異議語の問題の解決,ネットワーク(公衆電話網)からのアクセス等残された問題に取り組む予定である.
|