研究概要 |
(m,n)-マージングネットワークにおける最小比較器数M(m,n)を求めることに注目する。M(1,n)は明らかであり、M(2,n),M(3,n)についてはすでに求まっている[Yao and Yao:Lower bounds on merging networks,JACM23,Aigner and Schwarzkoph:Bounds on the size of merging networks,Discrete Aoolied Math.61]。M(n,n),n【greater than or equal】5の値もわかっている[Knuth:The Art of Computer Programming Vol.3:Sorting and searching,Addison-Wesley]。またM(n,n),n=7,8,9もFloydの定理とM(2,n),M(3,n)より得られる。M(6,6)についてはFloydの定理他からM(6,6)【greater than or equal】16,またBatcher[Sorting networks and their applications,Proc.AFIPS32]よりM(6,6)【greater than or equal】17が知られていた。平成7年度での研究結果、研究代表者等はM(6,6)=17を理論的に証明できた。また、平成8年度での研究結果M(4,6)=14であることをコンピュータを使って証明できた。この証明にあたっては、13比較器からなるマージングネットワークをコンピュータですべて調べあげ、それらが(4,6)-マージングネットワークとなっていないことをチェックした。バックトラックやデータ構造などプログラム上の工夫が必要であった。こ 研究分担者の笠井は自然言語の解析のためのアルゴリズムを考え、新しい構文解析木として「左右木」を提案した。さらに「プッシュダウン変換機」を導入し、その性質を示した。山崎はグラフアルゴリズムの解析を行い、あるパラメータが固定されたグラフのクラスに対して、グラフの同型問題が多項式時間で解けることを示した。これらはいずれも本研究をすすめるための基礎研究であり、次年度の研究に参考にしていく予定である。
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