研究課題/領域番号 |
07680354
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
津田 孝夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (60025905)
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研究分担者 |
川端 英之 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (00264937)
岡部 寿男 京都大学, 大型計算機センター, 助教授 (20204018)
國枝 義敏 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90153311)
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キーワード | 最適化 / コンパイラ / ベクトル化 / 並列化 / 粒度 / 依存関係解析 / 別名解析 / タスクグラフ |
研究概要 |
研究目的は、現状の自動並列化技術を大きく前進させる独自の新規な手法を採り入れた一般並列アーキテクチャのための自動並列化コンパイラを研究開発することである。 本年度は、交付申請書の研究計画に記したとおり、システム全体の基本設計/詳細設計を行った。次年度の計画変更はない。今年度の計画に挙げた具体的な項目の一つに、機械依存部分の記述のための対象計算機の諸特性の検討がある。これに関して得られた新たな知見をまとめる。 エンドユーザが現状で利用可能な並列計算機を利用し、現在までに成功したと思われる実規模数値処理プログラムの並列計算は、(1)量子色力学QCD、(2)量子化学(分子軌道法)、(3)数値流体力学CFD、(4)資源探査(Oil reservoir,地震波解析)など限られたものしかない。これらは、元来高い並列度を有する問題で、しかも、プログラムの全ライフに渡り、高い並列度が持続する。すなわち、元々独立な数多くのジョブの集まりであるものである。逆に、こういうタイプに属さない一般の数値処理では、並列性を単純には引き出せない。特に、並列計算機のアーキテクチャに精通しないエンドユーザには、到底並列化は不可能か、または、膨大な労力を要するために、ほとんどあきらめられている状態であると結論できる。そのため、結果的に現在エンドユーザに利用可能などの並列計算機も、汎用的にはほとんど有効利用されていないことが判明した。 この知見は、本研究が目的とするコンパイラによる自動並列化技術の確立が急務であることを実証するものである。
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