研究課題/領域番号 |
07680365
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
末吉 敏則 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (00117136)
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研究分担者 |
APDUHAN Bern 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (60238714)
久我 守弘 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 講師 (80243989)
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キーワード | クラスタコンピューティング / ネットワーク / ワークステーションクラスタ / ATM / 共有メモリ / メッセージパッシング |
研究概要 |
研究計画に従い、超高速ネットワーク環境下におけるクラスタコンピューティングについて、キャッシュ機構やATM環境における通信処理の影響等の研究を行った。本研究の主な成果を以下に示す。 1.当初はATMを利用できる環境が整っていなかったため、既設ネットワーク(10Mイーサネット)環境下においてキャッシュ機構の実装実験を行った。低速な既設ネットワークにおいても、コヒーレンス制御を伴わない場合にはキャッシングの効果が認められ、リ-ドヒット時で10倍程度の速度向上が達成できた。一方、コヒーレンス制御を伴う場合には、キャッシュ機構の導入による副作用、たとえばコヒーレンス処理のためのプリミティブ処理時間の増大や通信トラフィック増加のために性能低下が起きた。この実験結果に基づき、クラスタコンピューティングにおけるキャッシュ管理の要件を明確にすると共に、ATM環境を考慮したコヒーレント・キャッシュ機構の実装を進めている。 2.ATMネットワークによる2台のワークステーションの接続実験を完了し、ATM環境下における通信処理の影響についての実験を行った。その結果、ATMでは高速性を考慮したTCPプロトコルのパラメータを決定することで転送スループットの向上を図れることが確認でき、超高速ネットワーク環境下におけるクラスタコンピューティングでの通信処理効率の改善に関する一つの指標を得た。 3.共有メモリモデルに基づく並列処理機能を実現したクラスタコンピューティング環境DSE上に、PVMに準拠したメッセージパッシング機構をプロトタイプ実装し、その性能評価を行った。共有メモリとメッセージパッシングの両モデルを融合した並列処理環境の基盤を構築できるとともに、PVMの高性能実装が可能であることを明らかにした。
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