類推に基づく多戦略学習モデルの開発とそのタンパク質機能予測への適用

1996 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07680381
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 寺野 隆雄 筑波大学, 社会工学系, 教授 (20227523)
• 研究分担者: 石川 孝 木更津工業高等専門学校, 情報工学科, 助教授 (40270227)
• キーワード: 人工知能 / 機械学習 / 多戦略学習 / 類推 / ゲノム情報処理 / タンパク質機能予測 / アミノ酸配列データ / 帰納学習

研究概要

本研究の目的は、高い機能・性能を持つ多戦略学習型知識システムを実現するため基本的な問題について考察を行い、その結果を、アミノ酸配列データからのタンパク質予測の問題に適用することである。
その基礎的なアイデアは次のとおりである。帰納的な学習手法をデータベース情報に適用し適切な仮説の候補を導出する。類推学習の機能を用いて仮説の候補を拡張する。演懌的な学習手法により仮説の検証を試みる。これは、合成問題でしばしば用いられる生成検査法における制御レベルに類推による学習手法を適用することになる。これによって合成型問題で扱う膨大な解空間の探索を効率化する。
本年度は、前年度に引続き、合成型問題を対象とする多戦略学習型知識システムを実現するための類推学習モデルについて前年度に引き続いて考察を行い、その結果を、アミノ酸配列データからのタンパク質機能予測の問題に適用した。これにより、次の機能をもつ多戦略学習モデルもプロトタイプを実現した。
(1)タンパク質配列データベースからのテキスト情報を入力とする。
(2)機能・構造上の類似性を説明するための知識の蓄積・修正を可能とする。
(3)類推学習機能を備えた推論システムをもつ。
さらに、一般の設計問題に対しても、このプロトタイプシステムの適用を試み、本研究で開発する手法の妥当性について検討した。

研究成果

• [文献書誌] Ishikawa,T.,Terano,T.: "How to Predict it : Inductive Prediction by Analogy Using Taxonomic Information" Proc.3th Workshop on Multistrategy Learning(MSL-96). 295-303 (1996)
• [文献書誌] Ishikawa,T.,et al: "Discovering Functional Sites of Amino Acid Sequences Using Sorted Variable Generalization" Proc.7th Workshop on Genome Informatics. 178-179 (1996)
• [文献書誌] Ishikawa,T.,Terano,T.: "Analogy by Abstraction : Case Retrieval and Adeptation for Intensive Design Expert Systems" Expert Systems with Applications. 10・3/4. 351-356 (1996)
• [文献書誌] Kudo,R.,Terano,T.: "Automating Concept Development by Analogical Reasoning for Adavanced Decision Aids" Expert Systems with Applications. 10・3/4. 357-364 (1996)
• [文献書誌] Aida,H.,Terano,T.: "A Computational(Model for Distributed Knowledge Systems with Learnig Mechanisms" Expert Systems with Applications. 10・3/4. 417-427 (1996)
• [文献書誌] Terano,T.,Ishino,Y.: "Knowledge Acquisition from Questinnaire Data Using Simulated Breeding and Inductive Learning Methods" Expert Systems with Applications. 11・4. 507-518 (1996)
• [文献書誌] 寺野 隆雄: "(浅田他)経営情報ネットワークの理論と実際(分担、3章)" 東京経済情報出版, 300 (1997)