研究概要 |
先端技術領域の研究所で活躍している第一線の研究者と研究管理者に,研究の現場において,研究テーマの着想段階,研究上の困難の克服段階,研究の評価段階等における,外部知識の活用状況,経験的知識(特に,直観)の利用状況,知識の流通の状況の詳細なインタビューを実施し,プロトコル分析を行った. その結果,外部の知識と研究者/研究管理者の内部の経験的知識の活用状況の過程を明らかにした.それを基に,人間の直観(暗黙知)と計算機の形式知とのインタラクションの第1次モデルを設定した.本モデルの概要を,処理の手順に従って記述すると次の様になる. 1.人間(経験的知識を有する研究管理者)は計算機(形式知としての知識ベース)と協同して,自分の抱えている漠然とした問題の明確化を行おうとしている. 2.計算機は,その状況における幾つかの異なった「視点の提示」を行う. 3.計算機は人間に対して,「視点の転換」を指示する. 4.計算機は,転換された視点について,「関心事の提示」を行い,その関心事の観点からの「連想誘導」を行う. 5.人間は,文字列(単語,句,節)を想起し,計算機に入力する. 6.計算機は,与えられた文字列をもとに知識ベースを検索する.
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