研究課題/領域番号 |
07680388
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
赤木 正人 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (20242571)
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研究分担者 |
岩木 護 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (20262595)
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キーワード | 個人性 / 個人性物理関連量 / 声道 / スペクトル包絡 / 声帯 / 基本周波数パターン / 側音化構音 |
研究概要 |
音声における個人性は、声道情報を反映したスペクトルの包絡特性および声帯情報を反映した基本周波数特性の二つの物理量で記述されると言われている。そこで、本年度は、文音声中の基本周波数の変化パターンに含まれる個人性および声帯振動周期の揺れに含まれる個人性について調査した。また、スペクトル包絡形状と深くかかわっている音声の音色について、構音異常音である側音化構音の音響特性とその発声機構を声道モデルを用いて調べた。得られた知見は以下の通りである。 1.基本周波数について (1)昨年度までの結果から、単語音声中の基本周波数パターンに含まれる個人性は、主に変化パターンのダイナミックスと関連することがわかっている。本年度は文音声を取り上げ、この基本周波数パターンに含まれる個人性について調査した。その結果、個人性は変化パターンのダイナミックスにも含まれるが、それ以上に時間情報(アクセントのタイミングなど)に含まれることが、聴取実験から明らかとなった。 (2)声帯振動周期の揺れをラリンゴグラフを用いて系統的に調べたところ、話者によって比較的遅い変化(約5Hz)を持つ者、比較的速い変化(約50Hz)を持つ者、変化があまりない者の3グループに分けられることがわかった。また、聴取実験の結果、これらをお互いに知覚分離できることが明らかとなった。これより、声帯振動の揺れも個人性と関連する一つの物理量であることが言える。 3.側音化構音の音響特性 (1)昨年度までに、側音化構音のスペクトル包絡においては、5kHz以上の帯域におけるパワーが少なく、3kHz付近に存在するスペクトルのピーク位置と大きさが不規則に変化していることが確認された。そこで、本年度は、この音響的特徴は声道形状のどの部分に起因しているのかを調べるために、X線セファロトレースグラフから声道形状を抽出し、これを用いて声道の伝達特性を推定した。また、正常者の声道形状を計算機上で変化させることにより、側音化構音と同様の音響特性の実現を試みた。その結果、側音化構音に特徴的なスペクトル包絡は、声道のせばめの長さとその位置に関係することが明らかとなった。
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