研究概要 |
1.これまでの研究成果を踏まえ,下記のような音声対話システムを構築した. (1)市役所の窓口案内用音声対話システム:甲府市の市役所を例に,窓口案内ができる音声対話システムである.簡単な表現なら間接的な要求や否定表現も使用できるようになっている. (2)スケッチ画制御用音声対話システム:画面に現われるスケッチ画を話題に,機械と人間が比較的自由に対話できるシステムである.文脈指示はもちろん,タッチパネルの使用で現場指示も可能である. (3)テレビ制御用音声対話システム:テレビのチャンネル操作等ができる.単語辞書は時間と共に変化し,省略番組名や番組内容,出演者等の情報を気軽に使用できる特徴がある. 2.上記対話システムの評価から下記の様な研究を行った.今後研究成果を対話システムへ導入予定である (1)音声対話システムでは,話題の識別が重要な要素である.大量の新聞記事を利用して,話題とそれに関連するキーワードの関係を求め,話題を識別する方法を開発した.この方法でラジオのニュース番組の話題識別を行ったところほぼ人間と同様な話題識別ができることが確かめられた. (2)円滑な音声対話のためには,指示詞の処理が重要なことが解った.そこで,「応答音声で適切な指示詞を生成する研究」,「タッチパネルの利用等マルチモーダル情報を利用する研究」などを行った. (3)対話に含まれる感情に関する研究も重要である.現在応答音声にある程度の感情を入れられるようになってきた.限られた範囲ではあるが,感情の認識も考慮している. (4)円滑な対話のため,天気等の環境情報を利用する研究を行った.
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