直接操作型の学習環境において、人間の発見学習を支援するシステムの構成原理に関する研究を行った。データベースから規則を発見する場合の学習と、仮想実験環境で規則を発見する場合を対象として、下の2つの診断機構を用いて、学習者の試行錯誤をフォローし、必要に応じて、助言、共同作業、演示などを行って、学習者の発見学習を支援する系を構成した。 ☆操作空間の構成と学習者の意図の診断系の構成: 学習者が、問題領域のデータベースオブジェクトを自由に操作して、試行錯誤を繰り返しながら、正解に到達することを支援するグラフィカル・ユーザ・インタフェースと、それをフォローして、学習者の意図を推定するための内部言語を構成する。すなわち、ハイパーインデクス文法の終端記号を、直接操作を表す述語に置き換えることによって、画面上の操作列を受理/生成するための操作知識を設計し、論理文法の解釈系を実現した。 ☆仮説空間の基本演算と誤り診断系の構成: データベースの基本演算は一般性に関するサブサンプションの判定、メンバーシップの判定および正例と負例に対するデータベースオブジェクトの無矛盾性の判定である。この基本演算を用いて次の二つの検査を行う系を構成した。 1)仮説の正当性の検証:メンバーシップ検査を用いて、無矛盾性と冗長性の検査を行う。 2)間違いの局所化:矛盾を含む仮説に対しては、間違いの種類(一般化のし過ぎか、特殊化のし過ぎか)と間違いの位置の局所化を行う。
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