研究概要 |
本年度は研究の大枠を構築することをめざし,複数の対象領域の自動識別方式の開発と改善を試みた. 1.胃X線二重造影像の領域分割 (1)胃領域の識別-方法1-:胃輪郭線候補領域の粗抽出の後,木探索によって詳細化(補完および精度の向上)を図る方式を開発し,改善することができた.18症例中15例について十分な識別ができた. (2)胃領域の識別-方法2-:複数の動的輪郭スネ-クを用いることによる自動的な胃領域画像の後,ダイナミックプログラミングによって詳細化を図る方式を開発することができた.18症例中17例についてほぼ十分な識別ができた. (3)脊柱領域の識別:ハフ変換を用いた粗抽出の後,ダイナミックプログラミングによって詳細化を図る方式を開発した.18例中9例についてはほぼ十分な識別ができた. (4)バリウム溜り領域の識別:零交差による候補領域の抽出の方式を開発した.18症例中12例について十分な識別ができた. (5)画像理解システムの構築:個別の方式開発に加えて、画像理解システムの構築を開始した. 2.顎関節X線画像の領域分割 下顎窩,下顎頭,錐体鼓室裂,干渉像といった要素領域の抽出方式を検討し,個別の形状特徴を目的関数に反映して最適化を行う方式を開発することができた.各要素領域についての識別率はそれぞれ20/24,17/21,10/14,23/24であった.さらに,関心領域の抽出と特徴の計量についても実験した.
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