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1995 年度 実績報告書

視認知における交代想起特性の解析とそのニューラルネット情報処理モデルの研究

研究課題

研究課題/領域番号 07680410
研究種目

一般研究(C)

研究機関姫路工業大学

研究代表者

松井 伸之  姫路工業大学, 工学部, 助教授 (10173783)

研究分担者 鶴野 玲治  九州芸術工科大学, 芸術工学部, 講師 (10197775)
キーワード多義曖昧図形 / 視認知 / 交代想起 / ニューラルネット情報処理 / ガンマ分布 / カオス / ニューロン発火率 / 認知持続時間
研究概要

平成7年度においては,1.視認知における交代想起現象の基本特性を現象論的に把握すること、2.その可能な数理的取扱い方法を確立することを目的に研究を進めた。その結果、1.については、ルビンの反転図形を用いて異なる認知が交互に起こる認知の想起現象を捉えて、その認知持続時間(1つの解釈が持続する時間)の統計分布がガンマ分布となる知見を得た。2.に関しては、認知の交代想起特性を記述しうるニューラルネット情報処理モデルの枠組みを模索して、単一層ネットワークをモジュールとする多層ニューラルネットワークを構成し、入力層には、注視運動に対応する変動を考慮したモデルを提案した結果、2つの解釈に対応した2つのニューロングループにおけるそれぞれの発火率が時間を追うごとに交互に支配的になることを示し、これらの発火率の反転周期の統計分布がガンマ分布となることを見いだした。特に注視運動に対応する入力挙動がカオス的挙動であれば、顕著なガンマ分布となる新たな知見を見いだした。さらに先に得られた認知実験結果との比較検討を行った結果、モデルの有効性を立証し得た。上記研究成果に述べたように、ルビン図形を用いた認知実験から、モデルが異なる認知が交互に起こる認知の想起現象を表現しうることを示すことができた点で、当初の計画は達成し得たと考える。しかしながら、交代特性の入力挙動依存性を明らかにし、その情報処理における役割を明確にするためには、さらに、交代想起特性を定量化しうる多義図形を新たに提案して認知実験の精密化を図ること及び動画による反転現象におけるガンマ分布をニューロンから構成される大規模複雑系としての脳における相転移として捉えた数理的取扱いを検討したニューラルネットワークモデルをさらに検討して、認知の交代想起特性を記述しうる統一的普遍的モデルを構成することが今後の課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 松井伸之: "多層ニューラルネットワークによる交代想起特性の検討" 第34回計測自動制御学会学術講演会予稿集. 第2巻. 915-916 (1995)

  • [文献書誌] Nobuyuki Matsui: "The Efficiency of the Chaotic Visual Behaviour in Modeling the Human Perceptual-Alternation by Artificial Neural Network" Proceedings of 1995 IEEE International Conference on Neural Networks. Vol.4. 1991-1994 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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