研究課題/領域番号 |
07680424
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
星 守 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (80125955)
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研究分担者 |
大森 匡 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (30233274)
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キーワード | ウェーブレット変換 / 歴史民俗画像データ / 類似画像検索 / テクスチャ解析 / 画像データベース |
研究概要 |
本研究の目的は文様・絵画・出土品・民具などからなる静止画像データベースを対象に、写真・スケッチ画や断片的な部分画像、およびそれらの合成画像を入力として、入力画像に類似した原画像を検索する方式を確立することである。 そのため、本研究ではウェーブレット変換と局所自己相関特徴判別関数に基づいた統一的な類似画像検索方式を提案した。さらに、歴史民俗資料カード(国立歴史民俗博物館所蔵)の文様・土器などの写真データベース(約10ギガバイト)を対象に、提案方式による実働システムを開発した。 平成8年度においては、平成7年度に提案・評価してきたウェーブレ-ット変換に基づく類似画検索方式を元にした大規模画像データ類似検索システムをマルチプロセッサ・ワークステーション上に試作し、歴史民俗資料画像データ(10GB)を用いて評価実験を行なった。その結果、以下の二点が明らかになった: 1:提案方式によって、エッジなどの輪郭情報と背景テクスチャ、縮小画などの部分画像からつくった質問画像に対して類似画検索が満足のいく程度の検索率で実現できる。 2:ウェーブレット変換によって得られる多重解像度分解を元にしてテクスチャ情報を抽出する技術を開発した。これにより、原画像をいくつかの基本テクスチャ領域に分割してテクスチャ情報による類似画も検索できるようになった。 上記1、2の研究成果により、ウェーブレット変換を用いることで大容量の原画像データベースに対しその輪郭情報、部分画情報、テクスチャ情報による類似画像検索インデクス・ファイルを自動的に生成でき、効果的な類似画像検索が簡単で統一的なシステム構成で実現できることが明らかになった。
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