研究概要 |
平成7年度は、ワ-ニエ法に従った綺麗な制御構造をもつCOBOLプログラムからEOS仕様に逆変換する方式をほぼ確立できた.さらにこの方式に基づくリバース工学ツールを試作できた.このシステムは,COBOLプログラムを構文解析しブロック構造に変換する部分,ブロックの各実行条件を識別子やファイル修飾子に変換する部分,ブロック内の計算式を適切に識別子やファイル修飾子で修飾して等関係式に変換する部分から構成されている.試作システムに対して事例とした150行からなるCOBOLプログラムを入力したところ,[1]機能記述:約50行,[2]識別子の順序記述:2行,[3]レコード記述:8行からなる,EOS仕様を生成することができた.これをEOSに送りプロセス設計とモジュール設計を行わせると,5個のモジュール仕様が生成された.これらをSPACEに送り,COBOLプログラムを生成させそれらを実行させると,元のCOBOLプログラムと同じ計算結果を得た.従って,当初の目的であるCOBOLプログラムからの非手続き的仕様の逆生成は正しく行えたと考えられる.従って,提案した逆生成方式の正しさを試作システムによる実験を通して実証することができた.しかし,残念ながら現状では入力するプログラムがワ-ニエ法に従って書かれたものでないといけないという制約がある.また,EOSが数値条件による繰り返しを単一の識別子で表現できないという問題がある.このように適用性に制約がある.これを解決するのが8年度以降の課題である.
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