研究概要 |
1.ネットワークを協調作業空間として扱うアート・プロジェクトや、ネットワーク上の著作権に対する考え方における日本の文化的伝統の反映とその意識的展開についての興味ある知見が得られ、海外の学会・シンポジウムで発表した。(ARTE NO SECULO-A HUMANIZACAO DAS TECNOLOGIAS,Sao Paulo,1995.11など) 2.ネットワーク上の感性表現に関して、共同作業によるインタラクティブなストーリー制作の概念について研究し、成果をGeneral Assembly of Interactive Writing (Paris,1996.10)などのシンポジウムで口頭発表した。 3.当研究の最も大きな成果として、学内BBS "Campus MAGIC" (Campus Media for Audio-Graphical Interactive Communication)をネットワーク上のバーチャル・キャンバスという概念のもとに開設し、学内の広範な利用はもとより、学外のメディアアート関連施設、教育機関(NTT/ICC、岐阜県立国際科学芸術アカデミーなど)との共同プロジェクト運用を開始した。コミュニケーションのツールとしての参加型のネットワーク・アート・プロジェクトの企画立案を学生が積極的に行う中で、このような場の存在と運営、他のネットとの交流が教育上めざましい効果を上げることが確認された。当プロジェクトは現在も拡大中で、インターネットとの複層的構造を持つインターキャンバス・ネットワークの開発をめざしている。 4.当初の研究課題にはなかったが、以前より美術館・美術展の企画運営に携わってきた経験が今回の研究テーマと連結し、ネットワーク時代の美術館のあり方というテーマでの研究も開始した。この成果はACM Multimedia 96 (Boston,1996.11)、Musuem and Digital Technology (Helsinki,1997.3)等で口頭発表した。
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