研究概要 |
R. C. Boseの直交配列の構成法を一般化した方法を提案した.その方法を使えば直交配列のみならず,不完全直交配列,均斉配列(Balanced Array)など組合せ的配列と呼ばれている配列が構成できることをしめした.具体的には3次元有限射影幾何上の楕円曲面を使い,ある種の自己同型群で生成した多変数2次関数より新しい均斉配列が構成できることを証明した.この結果は平成7年6月のコロラド州立大学での国際会議で"R.Fuji-Hara and N. Miyamoto, Balanced Arrays from Quadratic Functions"として発表し,Journal of Statistcal Planning and Influenceに投稿中である.上の構成法の幾何学上の基礎問題を独立させ,平成7年8月の「科研総合Aの研究集会:符号・暗号と組合せ理論」で「Mutually t-intersecting Varieties,宮本暢子(筑波大)藤原良(筑波大)」として発表した.また平成7年11月の「科研総合Aの研究集会:離散計画の構成と分類」ではコロラドでの発表を拡張し,「代数曲線(曲面)による組合せ的配列の構成,宮本暢子(筑波大)藤原良(筑波大)」として発表した. また,代数幾何学上の有名な「リーマン・ロッホの定理」を有限射影平面上で用いて,均斉配列が構成できることを証明した.これは組合せ的配列の構成に代数幾何学を応用した初めての結果であり,今後の組合せ的配列の構成法に大きな影響を与えるものと思われる.この結果も平成7年8月の「科研総合Aの研究集会:符号・暗号と組合せ理論」で「代数曲線上のBalanced Arrays,篠原聡(筑波大)藤原良(筑波大)」で発表した. その他,均斉配列に関連する研究として ・グラフの射影幾何への割り付けについて,須田健二(群馬高専)藤原良(筑波大) ・Incomplete ranking problemにおけるある行列について,二神容子(大阪女子大)栗木進二(大阪府立大)も研究集会「符号・暗号と組合せ理論」で発表した.
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