研究概要 |
成長する情報通信ネットワークをモデル化し、総建設コスト(総管路長に比例)、アベイラビリティ(総回線長に比例)、社会的影響(単位管路に収容されている回線数の1.5乗の和に比例)の3つの指標を用いて,その階層的構造と信頼性指標の関連を研究した。 とくに将来需要を見込んで経路選択を行った場合を想定して、80×130のサイズの領域を考え、そのすべての格子点に需要が発生した状況を考察した。この場合、総建設コストはネットワークの経路にはよらず一定であり、アベイラビリティは各格子点から局へ最短経路で結ばれるときが最良であることが容易に確認できる。そこで、各格子点から局へ最短経路で結ぶネットワークの中で社会的影響がより小さくなる経路選択法と基幹管路の事前敷設について検討した。 研究の結果得られた新しい知見および残された問題は以下の通りである。 1.あるルールに従つて局の近辺から経路を決定していったネットワークで、社会的影響がもっとも小さいものを生成することができる。 2.局の周辺のある領域を上のルールで事前敷設することが、望ましいネットワークを構成する上で、効果的である。 3.このような事前敷設に加え、残りの領域を事前敷設の端子の数で等分することによって接続端子を決定したものが、よいネットワークとなることが期待される。 4.そのようなよいネットワークの階層的構造を調べることが、当面残された問題である。
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