研究課題/領域番号 |
07680461
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
幸田 武久 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60205333)
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研究分担者 |
井上 紘一 京都大学, 工学研究科, 教授 (70026079)
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キーワード | 人間機械系 / 状況依存性 / 挙動モデル / 事象系列 / ヒューマンエラー / 人間機械相互作用 / 認知工学 / ボンドグラフ |
研究概要 |
本年度は、人間機械系に生じる事象系列に基づく安全性解析システムを構築し、検討を行った。人間機械系における事象は人間と機械の間の相互作用であり、人間と機械はその状況に応じて行動あるいは機能すると仮定してモデル化を行い、簡単なタンク注入作業やランプ点灯作業を例として解析し、どのような事象系列が発生するかによりヒューマンエラー(HE)の影響を検討した。人間の行動は特に状況に対する経験度に応じて、ほとんど反射的に行動するスキルベース、状況に関するノウハウを基にして行動するルールベースと未経験の状況で一般的な知識に基づいて行動する知識ベースと臨機応変に対応し、機械は人間からの操作やその時の機械の内部状態に応じて応答するようにモデル化を行った。人間機械系でのHE評価は、HEが発生していない事象系列と途中でHEを挿入した場合の事象系列を比較してHEの事象系列に与える影響度で行った。この方法では想定したHEに対する影響度評価は可能であるが、核作業状況での人間行動にどのようなHEを想定すべきかを検討することはできない。この意味で、人間行動に関する認知工学などの一般的な知見の利用がHE予測において重要である。また、人間機械系の安全性解析に関連して、ハードウェアとしての機械系の故障が物理的なシステム挙動にどのような影響を与えるかを解析するために、挙動モデルに基づいて解析する方法を検討した。エネルギー流に着目したモデル化手法であるボンドグラフ表現を用いると、要素故障がシステム挙動を表す物理変数に対してどのような影響があるかを定性的および定量的に検討でき、人間機械系における機械側の挙動をモデル化するのに有効であることが判明した。
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