研究概要 |
効率的なモノ造りを実現するためには,製品設計段階や製造段階の解析のみならず工程計画段階の解析が重要となる.この工程計画分野にコンピュータを導入したコンピュータ援用工程計画法は,新らしい学問分野となりうる可能性を秘めている.そこで,まずコンピュータ援用工程計画法の成り立ちと発達過程を調査して,本研究の学問的位置づけを明確にし,その重要性を明らかにした.本研究で提案するコンピュータによる工程計画システムでは,システム最適化理論を導入し,作業者がコンピュータとの対話形式で最適なモノ造りを行えるシステムとしている.平成7年度前半期には,このシステム構築を終えた.このシステムは2台のCCDカメラを設置し作業映像を録画し,また作業者の思考過程をも音声録音して,作業分析,プロトコル分析が容易にできるよう配慮された設計である.後半期には構築したシステムの運用を試みた.運用の基礎実験として,幾人かの作業者に実際にパレット上に治具や取付具を用いて各種形状の加工部品の取付作業を行ってもらい,作業分析,プロトコル分析を行いながら,効率的な工程計画作業の実現が確認された.この成果は,専門の学会誌に直接投稿するために現在まとめの段階にある.また,提案したシステムは工場における作業教育や学校での生産教育に大いに役立つことが期待できるため,日本産業技術教育学会中国支部大会でも発表する予定である.
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