研究概要 |
オペラビリティ・スタディ自動解析システムを構築するためには,対象プロセスに関する固有の情報(プロセスの構造,物質,反応),オペラビリティ・スタディ解析のための一般的情報(オペラビリティ・スタディの手引き用語,プロセス変数,要素故障モード)に分類し,知識ベースを構築する必要がある.本研究ではこれらの知識を表現し,計算機内に格納するための方法を確立するとともに,回分プロセスのオペラビリティ・スタディ自動解析システムを開発した. 回分プロセスの運転は,(1)原料仕込,(2)反応,(3)製品取り出しに分類されるが,(1)原料仕込,(3)製品取り出しについては,"ズレ"は配管部で発生し,連続プロセスと同様な方法でオペラビリティ・スタディを実施することが可能である.(2)反応については,運転が非定常であり,配管よりの反応物質の出入りがなく,連続プロセスのオペラビリティ・スタディとは全く異なる.冷却,加熱装置,撹拌装置,触媒供給装置などの周辺装置の異常,操作時刻の異常(遅れ,早すぎ)など回分プロセス特有の異常に関する知識については,異常と異常を引き起こす原因について,デシジョンテーブルを応用した形式で表現した.対象プロセス固有の情報としては,プロセスの構造,および反応に関する情報等を入力する.対象プロセスの構造および反応に関する知識と装置異常に関する知識に対して知的情報処理を行うことにより,プロセス全体のオペラビリティ・スタディを完成するという方法である.オペラビリティ・スタディ自動解析システムを構築し,ポリ酢酸ビニル製造プラントに適用し,実用の可能性を検討した.自動解析システムは,Prologを用いて構築した.
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